暁天の星


【ハルト】


シリウス、青星。



帰り道、見上げた先に在った星。



漆黒の夜空に、無数の星が光ってる。




脳裏にこびりついたこの景色を、もう何回見たか分からない。




俺はただ、見上げた空に溶け込んだお前の声を見つけたかった。


煌めく星にお前の虚像を重ね合わせた。



そうして何かに整理をつけた。


そうすることでしか、拭えなかった。



それは自分の弱さを覆い隠すために。





また小言が聞こえてきそうで耳を塞いだ。

お前みたく強くなんてなれないんだよ。





いつだって欲しかったものは何も掴めない。


そうして過ぎ行く時間に乗って行き着いた今に満足なんてできなかった。





ああ。

なんでだろう。



俺は、俺を締め付けるもののを存在を否定することなんて一生できないんだな。



しょうがねえ奴だ。




目に映る煌めきを追っても何も変わらないのに。



ただ、その瞬きの先で会えたらって思っちゃうんだよ。




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