黄色い花


今日は店が混んでいる。
あたしはたくさんの料理を
運んで笑顔で接客してた。

お父さんもお母さんも
テキパキと、料理を
作って行く。



昨日…皐月に悪いことしたな…


チリン…______

「いらっしゃいま……」


ドアの鈴が鳴ったのを見て
お客様が来たと思ったら、


「皐月?えりちゃんも!どうしたの??」


皐月とえりちゃんがニコニコしながら
「今日は休みだからあやんとこでご飯たべよーてなってさ!」

えりちゃんがはしゃいでテーブル椅子に座る
皐月もその後に続いて座った。



「あ、えり!元気だったか!」

えりちゃんに気付いたお父さんが
厨房から顔をのぞかせて言った。

お母さんもあら、と皐月を見たが
何も言わずゆっくりとお水を運んで来た。



「あやちゃん昨日大丈夫だったの?急いでたみたいだけど?」


「あ、うん。ごめんね急に…」


ドキッとした。


皐月は鋭いから平静さを装った。

「あ!そうそう!あや!」

えりちゃんの突然の大声に
びっくりしたけどナイス!


「皐月くんのね、友達が手伝ってくれるの!またバイトが増えてこっちは大助かりだよ〜!あやも遊びきなよ!」


皐月の友達?


聞いてないー!

「急にさなんかいいバイトねえの?って聞かれたから一緒にやることにしたんだ!いい奴らだからきっとあやちゃんも仲良くなれるよ!」


「あ、うん。じゃあ明日にでも行くね?」

皐月の友達かあ。

どんどん皐月の事を知ってく

どんどん皐月の事が好きになってく

「こら!そこ!見つめ合わないの!えり様の存在があることに気づけー!」

え、えりちゃん…

見つめあってなんか。


カァーと赤くなるあたしを見て
お母さんもえりちゃんもふふと笑ってくれた。

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