宝物な君と
「ママ、こんどね、遠足があるの!水族館だって。」

『へぇ~楽しみね!』

「あおいちゃんとよりくんは、パパも来るんだって。」

『…そう。でも、ママ水族館大好きだから、たのしみだなぁ。』

七くんの顔見てると、泣きそうになっちゃったわ。

我慢して笑顔で話す。

まわりのみんなにも気がつかれたくない。

「七世、水族館好きなのか?」

永久の問いかけに七くんは、そちらを振り向く。

もしかして、気をそらしてくれた…?

そんなわけないか、永久だもんね。

「うんっ。大好き!でも、動物園も好きだよ。ママと遊ぶいつもの公園も好きだよ。」

可愛いこと言ってくれる七くん!

別の意味で泣きそう。

「そうか。じゃあ、こんどの休み、動物園に行くか?」

「永久くんが連れていってくれるの?!ほんとに?」

「ああ。紅と行こう。」

はぁぁぁぁぁ??

ちょ、ちょっと何言ってるの、この人は!
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