宝物な君と
てか、何なの?

何事もなかったかのように、話されても私はもう永久とは関係ないんだから。

『七くん、おいで。帰るわよ。』

「蒼空、七世よろしく。あとで迎えに行くから。」

『えっ?何言って…きゃっ!マジ何なの?!』

私を俵のように抱えあげて、歩き出す永久。

ホテルのレストランだったから、そのままエレベーターで上に…えっ?上?!

『ちょ、ちょっと!おろしてよ!』

「部屋についてからな。じゃないと、逃げるだろ。」

逃げますとも。

この人、何してんの?

「大丈夫だ。話すだけだ。」

そんな問題じゃないわ!

『永久?!』

「やっと呼んだな。」

そう言って、ベッドの端に下ろされた。

睨んでやろうと、永久の顔を見ると。

今までで1番優しい笑顔だった。

なんだか気が抜ける。

慌てて顔をそらしたけど、俯いた私の顎を持ち上げて、永久が顔を近づけてくる。

外そうとする私の手を片手でまとめられて。

強い力でなかなか握った手が外れない。

『紅、好きだ。もうお前に会えないのは、我慢出来ねぇ。七世もひっくるめて、お前の傍にいたい。』

好き…?


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