August Rush
その夜にきたメール。
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件名:一条です
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よろしくね(^_^)
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これだけなのに、保護メールに保存!
どっから湧いてくるのか
じんわり胸が温かくなった。
次の日、お昼休みに自販機まで
遥とジュース買いに行った。
前に一条くんと長谷川くんがいた。
「一条くん!」
今度は私から、声をかけた。
「おー」
素っ気ない返事でも
ちょっと仲良くなれた気がしてた。
「あれ?玲くんそれ何見たい!」
遥が一条くんの財布を指差した。
「あー、これ?」
財布の中から出てきたのは
プリクラ。
遥はパッと一条くんの手から取った。
「何?俺も見たい!!」
長谷川くんも食い入る。
嫌な予感。
「きゃ〜彼女?可愛いね〜!!」
私も見ちゃった。
「ほんと、可愛い彼女だね!」
本当に可愛かったからそう言った。
長谷川くんは知ってたみたいだけど。
「はいはい、返してねー」
子供をあやすように
プリクラは遥の手から取られた。
ジュース買いに行かなきゃよかった。