嘘つき天使へ、愛をこめて


どうしても、放っておけなくなった。

サリはどうも身体が強くないようで、最初にこの家にきた時から体調は良くないようだった。


驚くほど少食で、突然倒れたりもする。

また倒れるんじゃ、と思うと目を離せなくなって、気づけばそばに付いてしまうようになるまで時間はかからなかった。


それでも、少し不可解には感じていた。

サリが隠れて薬を飲んでいることも知っていたけれど、心配かけないようにかサリは俺たちの前では気丈な態度を見せているから、気づいていないフリをしていただけ。


風邪だとか、貧血だとか、とてもそんなものでは説明出来ないような薬の数。


サリはなにかを隠している。

ただ、それだけは、確かだった。


大翔さんが突然やってきて、サリと繋がりがあると知った時は、正直荒れた。

自分でも情けないくらいに、荒れた。


あのタイミングだったというのもあるだろうが、さすがに華鋼相手にやり過ぎたという自覚はある。


櫂に『総長としての自覚が足りない』と言われたのは、いつ以来だったか。
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