(A) of Hearts
クローズド・ポーカー

♡♡♡♡♡♡


あと一歩のところで眠気に負けそうだった。
けれど芦沢さんの言葉でふたたび引き戻される。


『――らしいと言っちゃ、らしいけど』


すでに間接照明は消され真っ暗だ。ぼんやりとソファーに横になっている芦沢さんの姿が見える。

そういえば、こんなこと以前にもあった気が。
いやでも、あれは芦沢さんではなくヒロ。
だから気のせい。

でも思い出してしまう。
なんか懐かしいな。


"そんなとこで寝ないでさ。ヒロもこっちきて一緒に寝たらいいじゃん"

『イヤ』

"風邪引いても知らないよーだ"

『それなら、ちぃがどけよ』

"イヤ"

『もうひとりで寝れるだろ』

"むりー"

『なんでいつまでも俺んちで寝るんだよ』

"だってヒロんちのお布団のほうが、よく寝れるもんねえ"

『どこでも寝れるくせに』

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