桜の下で

転校生

「お、」

「んんー?」

「そーいや今日だよな、噂の転校生」

ジャングルジムの上から葵に叫ばれた日から3週間経って、期末テストも終わり、みなが来たる夏休みに今か今かと胸を踊らせる放課後、俺は葵と近所の21アイスに来ていた。

「あー、そーだね〜。♪〜」

「...ってめ、うまそうに食うなぁ」

「不味そうに食べるよかマシでしょ〜♪」

なぜこんなに葵が上機嫌なのかと言うと、期末テストの順位で俺と争って勝ち、アイスを奢られた(俺からすると奢った)からである。

今回は勝てると思ったんだけどな。


「...次はぜってー勝つ」

「...。せーぜーがんばれぇ〜w」

俺の呟きに葵は一瞬顔を曇らせたが次の瞬間には憎たらしい口調で挑発してきた。

くっそ。

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