テンポラリーラブ物語
氷室の後をついて行けば、飲食店が集まる繁華街に入っていった。
その中でもひときわ目立つお洒落な風格のトンカツ屋があった。
目を引く店の構えに、味の良さも伝わってくるようだった。
氷室が「ここはどうだ」と提案する。
「あっ、トンカツですか。私大好きです。それにこのお店、とてもセンスがいいし、ここにしましょう」
素直に反応を返してくるなゆみはかわいかった。
氷室はふっと鼻から息が漏れ、顔が緩んでいた。
暖簾をくぐり、「いらっしゃい」と声を浴びて、店員に席に案内された。
店はまばらに客が座っている程度で空いていた。
ピーク時が過ぎた様子だった。
二人が席に着いた時、白いコックのような服装をした、少し小太りのおじさんが氷室に寄って来た。
「よっ、氷室さん、お久しぶり。今日は弟さんをお連れですか」
「おやっさん、これでも女なんですよ」
「あっ、ほんとだ、これは失礼仕った。かたじけない」
その店主の古風な言いぐさに意表を突かれ、間違えられても腹も立たなかった。
実際、自分が色気ないのは良くわかっていた。
氷室と少し話をした後、なゆみに軽く頭を下げて店主はまた奥に引っ込んでいった。
氷室はこの店の常連なのかもしれない。
癖のある店主と氷室は気が合いそうに思えた。
その中でもひときわ目立つお洒落な風格のトンカツ屋があった。
目を引く店の構えに、味の良さも伝わってくるようだった。
氷室が「ここはどうだ」と提案する。
「あっ、トンカツですか。私大好きです。それにこのお店、とてもセンスがいいし、ここにしましょう」
素直に反応を返してくるなゆみはかわいかった。
氷室はふっと鼻から息が漏れ、顔が緩んでいた。
暖簾をくぐり、「いらっしゃい」と声を浴びて、店員に席に案内された。
店はまばらに客が座っている程度で空いていた。
ピーク時が過ぎた様子だった。
二人が席に着いた時、白いコックのような服装をした、少し小太りのおじさんが氷室に寄って来た。
「よっ、氷室さん、お久しぶり。今日は弟さんをお連れですか」
「おやっさん、これでも女なんですよ」
「あっ、ほんとだ、これは失礼仕った。かたじけない」
その店主の古風な言いぐさに意表を突かれ、間違えられても腹も立たなかった。
実際、自分が色気ないのは良くわかっていた。
氷室と少し話をした後、なゆみに軽く頭を下げて店主はまた奥に引っ込んでいった。
氷室はこの店の常連なのかもしれない。
癖のある店主と氷室は気が合いそうに思えた。