縁側で恋を始めましょう


「紗希。それだとキスできない」

今までになく、甘い優しい声。
え? と顔を上げると微笑んだ暁と目があい、唇を塞がれた。

「んっ」

どんどんと深くなっていくキスに声が漏れる。空気を求めて口を開けると、すかさず熱いものが口腔内に差し入れられ、絡めて刺激してくる。
次第に足と腰に力が入らなくなり、縋りつくようにシャツを握る。
すると、暁は軽々と私を横抱きにした。

「あっ」
「紗希の部屋でいい?」

額にキスを落としながら聞いてくるが、答える間もなく暁は私の部屋へ向かった。
そして、ベッドに丁寧に降ろされる。


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