縁側で恋を始めましょう



「バイトしているように見えるの?」
「それは……」

どうだろう……。
もしかしたら日中、数時間のバイトをしているかもしれないけれど確証はない。

「詳しく聞いてみなよ。一応は同居人でしょう? 同居人がどこで何をしているかわからないなんて、いくら幼馴染とはいえ不気味よ」
「そうだけど……」

以前は小説については教えてくれなかった。聞いたところで教えてくれるのだろうか。

「ねぇ、暁君の写真とかないの?」
「写真?」
「だって興味あるじゃない。紗希がそんなに気にしている男って」

香苗はワクワクした表情をしている。

「別に気にしてなんか……」
「そうかなぁ、いつも暁君の話してるじゃない。それより、ほら見せてよ」

そうせっつかれ、渋々と携帯の写メを見せる。先日、縁側で晩酌をしている際になんとなく撮ったものだった。



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