雪の日に祝福を…。
『瑠々を殺して』
甘く艶めいた声音でそう囁いた。
》 》
私は、逃げるように遠くの全寮制の学校に進学した。
両親は、行事にも妹の病気を理由に訪れなかった。そんなことは、どうでもよかったが妹から来る毎月の手紙が鬱陶しかった。
私を無邪気に〝姉〟と慕うその純真が私には、苦痛以外の何物でもなかった。
妹は、妹なりに私に対して両親を独り占めして悪いと思っているようで両親に何度も〝私に逢いに行くように言っている〟と手紙に書いてあったがそれは逆効果だった。
妹を使う卑怯者に私は、更に格下げされてしまった。
私のこの人生は、この最大のライバルで邪魔者の〝妹〟の存在なしでは、語れない。
そしてあの日もあっさりやって来た。
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「月依。」
「話って何?結婚式までに片付けなきゃいけない仕事が山積みなのよ。」
いつものカフェに入りコーヒーを頼み婚約者の待つ席慌ただしく座る。
「うん・・・。」
「何?今更うちの両親に挨拶にやっぱり行くって話しなの?」
相当急いでいるらしく話し簿内容を予測してくる。