この関係を壊してでも伝えたいこと

涙雨

「狐の嫁入りの反対みたいな言葉ってあるんか?」


「狸のなんとか…みたいな?」


凛ちゃんが唐突にこんなことを言い出したのはきっと今がそうだから。

狐の嫁入りとは、晴れているのに雨が降っ
ている時のこと。


「狸の…離婚?」


「ぬぐいきれない朗らか感」



奇妙すぎる日常。
いつも通りの会話が逆に寒々しい。


凛ちゃんは気にしてないの?


私が白鳥とキスしていたことについては何も聞かないの?


どうでもいいってことだよね、こんなこと凛ちゃんにはなんの関係もないから。




あの時、思わず嘘をついてしまったけど別に本当のことを言ってもよかったのかも。


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