この関係を壊してでも伝えたいこと
消えているのはわかっているのに、心配性の私は何度も見えないかどうか確認しないと気がすまない。


最後にもう一度自分の名前を書いて完成。



「いこっか」


振り返るとすでに彼の背中は小さくなりつつある。



その手には2つのスクールバッグ。



わざわざお礼を言うと、照れて困った顔をするから何も言わずに後ろ姿を追いかける。



彼の優しさは見逃してしまいそうなほど些細でさりげない。

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