BELLE
BELLES


「かわいー!!麗ちゃんの表紙!」

「渋谷の広告!みたよ!綺麗だった…」

「麗って完璧だよね」

「麗ちゃんになりたい!」

みんな言うの
違うのに


可愛くなんかない
綺麗でもない
完璧?ありえない
代われるなら代わってほしいよ






「はあ」


「麗ちゃん?どうかしたの?」


「え? ああ、何でもありません」

ふっと我に帰る
次の撮影のメイクをしてもらってるヘアメイクの内藤さんに鏡越しで微笑まれて気づいた


無意識に溜息をついてしまった。
私、もうこういう考え方やめなきゃ


「そ?ならいいけど、っと……よし!メイク終了~!可愛い~!」

私に鏡を見るようにポンッと肩を叩いた


「ありがとうございます」

鏡を見るのが好きではないのだが
鏡を見てニコッと微笑んで席を立つ

「撮影行ってきますね」


「あとから行くね!」
内藤さんは撮影中メイクが崩れた時直しに来てくれる。

「はい!」
メイク室のドアを開けて憂鬱な撮影する場所に向かう


「(やだな~今日、あの遙さんと雑誌の撮影)」
歩きながら口に出しては言えないが今私はきっと顔に出ていると思う


「(映画の宣伝の為の撮影だもん、仕方ないか)」
自分に言い聞かせ、重い撮影場へと繋がるドアを引く。



「おはようございます」

スタッフさんや、撮影するあの佐伯 遙に挨拶をする

「おはよう~!」
みなさんから返事が返ってくる

「(先にいたのか、あーもー、いやだなー!)」
佐伯遙もいるカメラの前に立つ

「 」
佐伯遙は、こっちを見たもののすぐに目をそらしてカメラに目線を送った

「(また挨拶無視~!?有り得ない!ホンットにこの人無理〜怖いよ〜)」

私がこんなにも佐伯遙を嫌がってる後は理由がある。

それは、1ヶ月前のこと










「おはようございます」
微笑みながら関係者がたくさんいる映画の撮影の打ち合わせ室に入る


「おはようございます」
ほぼ、全員から挨拶が返ってくる。


ひとりを除いて


そいつが佐伯遙。


目鼻立ちがしっかりしていて今大人気な俳優さんだと納得出来る顔。
だか、ツンっとしているイメージは前からあったがほんとうにそのままだった。
世間には“ツンデレ”って言う言葉でこの極悪人みたいな奴を言うらしい


「(いやツンデレじゃなくって、ギンギンギンっみたいな感じでしょ!?デレ要素皆無)」
だか、今回一緒に青春映画で恋人同士役なのだ。それに佐伯遙の隣の席に今から座るしかない。

「(キスとかはいいけど隣に座るってのが嫌、お芝居は芝居って割り切れるけどこのままの佐伯遙の隣に座りたくないよ~)」


普通だったらキスの方が嫌かもしれないが女優なのでもうお芝居に関しては役になりきるので余り抵抗がない


「(でもこれ、普通だったら隣に座る方がましだよね、、まあどっちも避けられないのだけど)」
嫌な顔を出さないよう隣の席に座るなるべく顔を見ないように



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