君にあえて良かった。
えりかはテニスコートを見つめた。

「…っ、」

そこには勇気が女の子と一緒に帰っていた。

その勇気はすごく楽しそうに笑っていた。

――勇気…。どうしちゃったんだろ…。いくらなんでもゆずがかわいそうだよ…

えりかはどこにいるのかわからないゆずを学校内じゅう探し回った。

「ゆっ…ず…?」

そこには馬鹿笑いしているゆずがいた。

周りを見るとばっちり化粧髪をして髪を茶色に染めてピアスを耳に3つくらいつけている人達がいた。

誰が見てもチャラ系っていうか、ヤンキー系っていうか…。

できることなら1秒でも早くここを抜け出したかった。

みんなの視線が一瞬にして私に集まった。

―怖い―

「ゆ…ず…?い、行こう…っ。」

えりかはゆずの手を掴んだ。

…パシッ

「え…?」

ゆずは顔を背けてえりかの手をたたいた。

「嫌だ。」

「嫌だって…。ゆずどうしたの!?なんか変だよ!」


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