夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

「……っ。
ヴァロン、本当に…いいんですか?
いくら君でも、こんな終わりの見えない依頼…。」

俺よりも不安そうな表情でシュウが言った。

終わりが見えない。
確かに、
契約成立に行き着くまで全く先が分からない。
今回の仕事で重要なのは、交渉の場で良い結果を出せる様にするまでの長い道のりだ。

元々名の知れた会社で、
ただ契約成立させればいいって問題じゃない。
ドン底に近い会社を立て直すんだからな…。


……でもさ。
思い返せば、俺もドン底に居たんだよ。

それが、今はちゃんと幸せだって思える。
諦めなければそんな日が来ると…。
俺はみんなに教えてもらった。


「……俺にとっては。
アカリがいなくなる事が、終わりだからさ。」

この先ずっとアカリと一緒に生きていきたいから、俺は例え今が辛くても耐える。

永遠の別れになんてしない。
必ず、お前を守ってみせる。

……
………。
< 173 / 355 >

この作品をシェア

pagetop