夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

辺りが嘘みたいに静かで…。
まるで通信機の向こうから聞こえるシュウの声だけしか、音がないみたいで…。


『っ…すぐに、来て下さい。
アカリさんが倒れて…っ。
隠れ家の医療施設に運ばれて来ていますっ…!』

嫌な言葉程、
心に突き刺さるものは…ない。

……。

”気分が悪いの!もう放っておいてっ…!!”…。

アカリが最後に言い放った言葉。


……何故、見過ごしたんだろう。

どうして無理にでも、
夜中に病院に連れて行ってやらなかった…?


”今回の昇格試験は、
夢の配達人リディアの病死により不在になった白金バッジの継承者を決めるものだ。”…。

……”病死”。


明日に、
必ずなんてない事を俺は知っていたのに…。

俺はまた大切な人を失うのか?

……
………。
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