夢の言葉と陽だまりの天使(上)【夢の言葉続編②】

(4)

【8月12日/小さな町】

さっき、ヴァロンが話してくれた。
私と産まれる前に会っていた事。

思い出した。
まだお母さんが生きていた頃。
病弱な自分に代わって働く私に、ある日言ったんだ。

”アカリに早く良い人が出来たら嬉しい”って。

”そんな人いないよ”って照れながら否定したら、”アカリには王子様がいるのよ”って言われたの。
訳が分からなくて首を傾げる私に、お母さんが話してくれた。

私がお腹にいる時、具合の悪くなったお母さんを…。
ううん、私を助けてくれた人の話。

少し無愛想だけど、優しくて、綺麗な男の子。
すぐに来られなかったお父さんの代わりに、お母さんの状態が落ち着くまで傍に居てくれたって…。

その時に、お母さんは思ったんだって。

”こんな男の子がアカリをずっと守ってくれたらいいな”って……。
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