夢の言葉と陽だまりの天使（上）【夢の言葉続編②】

密かに仕事の合間に工房に通って造っていた結婚指輪。
結婚式には当然間に合わなくて…。
おまけに初めて造った指輪は俺からしたら下手くそで…。

タイミングも逃したし、
もう捨てようかとも思っていた指輪だった。


……けど、
桜の下で微笑むアカリを見てたら……。
格好悪くても、下手くそでもいいから俺の気持ちを渡したくなって…。
彼女の指に指輪をはめた。

驚いた表情のアカリに、
俺も指輪をはめてお揃いの指輪を見せると…。
涙ぐんで真っ赤な顔をした彼女は、
とても可愛い笑顔で俺に抱き付いてくれた。


……全く。
俺がアカリを幸せにしたかったのに…。
プレゼントした俺の方が幸せになる位の笑顔だった。


その後も…。
何度も何度も…指輪を嬉しそうに眺めてくれていた事を、俺は知ってる。