TUBASA ~つばさ~
保健の先生が貸してくれた傘に二人で入る。
「駅まで送るね」
私は黙ってうなずいた。
助けてくれた人に対してなんて失礼なんだろう、ってよぎったけど、
今は自分の感情をコントロールできない。
喋ると、何を言い出すかわからない自分を押さえるためにもそうした。
激しく傘を打ちつける雨で周囲の音はすべて消し去られている。
まるで、この世界には二人しかいないような気にさえなってくる。
ひと気のない公園の前にさしかかる。
遊具に激しく雨が打ち付けている。
ブランコが寂しく風雨に揺れている。