TUBASA ~つばさ~
正宗さんは机を拳で叩いた。


「璃子を失った悲しみがお前にわかるか?!ええっ」


私は黙っているしかなかった。



「光が同じ苦しみを味わって何が悪い。あいつは俺より罪が重いんだ。璃子を手放したんだからな。なのに、他の女を好きになっていいわけないだろ!」


「........」



「そうさ、光が他の女を愛さないように精神的に俺は常にあいつを追い込んだんだよ。璃子より美しい女はいない、璃子よりできた女はいない、お前は璃子を一生愛さなくてはいけない。てねっ!!」



歪んだ愛情。


でも、この人も苦しかった。


「光はお前を愛さない、光は誰も愛せない....璃子以外なっ!!」





私たちの会話の終わりを告げるように、

学校の鐘が鳴った。

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