TUBASA ~つばさ~
終わりの予感

後夜祭の日以来、斗馬とは口を訊いていない。


てか、避けられてる。

メールをしても無視されるし。


切ない日々が続く。


授業中、無意識に彼の背中を見つめてしまう。


背中に「振り向いて」と呼び掛けてみる。


魔女だったら、斗馬の心を知ることなんて簡単なのに。




クラスのみんなも、私と斗馬の空気を敏感に察したようだった。


こんな時、同じクラスだとかえって辛い。


みんなが私たちの噂をして、陰で笑っている気にさえなってくる。


考えすぎだって、自分に言い聞かせても虚しいだけ。

< 89 / 179 >

この作品をシェア

pagetop