辛 恋

全てを知佳、おばあちゃま、壬に
話した。

知佳は、一緒に泣いてくれて
おばあちゃまは、
私の事を心配してくれていた。

壬は、なにかを考えていたが
何も言わなかった。

私は、次の休みにゆきさんに
会いに出掛けた。

ゆきさんのいるところは、
海のみえる小高い山の上にあり
とてもきれいな所だった。

ゆきさんは、車椅子で
テラスにいた。
私は、
「こんにちわ、柳井 心と言います。
大翔さんの知り合いです。
突然、来てすみません。」
と、言うと
ゆきさんは、私の手を握り
にっこりと微笑んだ。

私は、いつのまにか
涙が溢れていて
ゆきさんは、立ち上がって
抱き締めてくれた。
私は、その温かさに
声をあげて泣いた。

施設の人達は、ゆきさんの行動に
びっくりしていたが
そっとしてくれていた。

私は、泣き止んで
「ごめんなさい。」
と、言うと
「大丈夫よ。」
とゆきさんは言ってくれた。

それからは、二人で海をみて
私は、帰宅した。

また、会いにきますね
と、約束して。
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