あと一欠片のピース




ドヤ顔をする茜の顔を見ながら、中谷さんから聞いた噂が、中谷さんがその場で作ったものではないことが判明したことに気がついた。



「まあ本当は勘なんかじゃないんだけどね。パズルさんの呪いの話ってね、封筒の中にパズルが入ってるだけなわけ」


「うん?」


「だからね、今宵のみたいにメッセージ付きではないの」


「……うん」


「まず幽霊は透けちゃうから何でもすり抜けちゃうわけ。だからメッセージ書くためのペンでさえ握れないし力ないから書けないの」



やっぱり、そういうものなのか。



「だから、今宵のパズルさんは〝パズルさんの呪い〟をオシャンティーに発展させた最新型のお手紙なわけ!」



うん、めちゃくちゃ現代っ子な説明をありがとう。


よかった、一安心だ。


やはりアレは呪いまがいのことではないらしい。


これで一応パズルさんのちょっと悪くなってしまった印象は払拭されたわけだ。


ほっと一息つくわたしを横目に、探偵気取りをやめた茜がわたしの手にある封筒を指で弾いた。




「で、今宵。昨日のパズルのメッセージ見た?」


「まだ」


「まだだと!? うちすんげー気になってたんだけど! 続き! 早く見て!」



ポニテを揺らしてぴょんぴょん跳ねる茜。


うん、ゆるかわいくてなんかむかつく。




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