透明な空
「思い出」

この坂道を上った
毎日
彼に会えるから

この坂道を下った
大好きな彼の後ろに乗せてもらって

彼には大好きな人が居たから
何も伝えられなかったけど
先輩の特権を利用して
放課後の短い時間
彼を独占した

彼は気付いていただろうか

きっと気付いていたのだろう

それでも私の好きにさせてくれていた

思い出すのは彼の優しい顔ばかり


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