ふたりで

彼の肩を軽く叩いたのは、彼がいつも一緒にいる女の子だった。

「津山! びっくりしただろ。」
と、彼は少し顔を曇らせて答えた。
「啓太は?」
と、彼がその女の子に、聞くと、

「今日は、私一人だよ。芝宮こそ、デートしてるの?奈津美に言いつけるよ。」
と、その女の子が言った。

彼はあわてて、
「瀬川は、関係ないだろ!」
と、怒った様子で言う。


なあんだ、彼女いるんだ。
えっ、私こそ関係ないのに、彼に彼女がいようがいまいが、どうでもいいのに。
私が気にするのって、おかしいよね。と、自問自答してしまった。

< 5 / 90 >

この作品をシェア

pagetop