プラネタリウム

sora's episode 2

今年も終わろうとしてた…。

俺は家にいた。

初詣、誘われたけどバイトもあったし面倒で断った。

メールだ…「あかねちゃん」

横になってた俺は一ガバッ一と起き上がった。

気付けば電話してた。

声は元気そうだ。

結局、マフラーの事名乗ってしまった。

バカだよな…俺。


少しでも話せた事が俺は嬉しかった。

明日はバイト。

ヤル気なし‼

だけど…あかねちゃんがいた。

マジ…?

わざわざ俺に会いに来てくれた…。

でも、痩せたな…あかねちゃん。

バイト終わりまで待っててくれた。

余計、仕事手につかない。

この子といるとペースが乱れる。

悪い意味じゃないよ。いい意味で。

バイト終わってあかねちゃんのところに行くと、小さな箱を渡された。

ピアスだ…これは映画見に行った時に買おうか迷った物。

すごく嬉しかった。

しかも誕生日覚えててくれた…俺期待していいのか?


だけど…話すとわかるんだ。

恋をしようと思ってないって。

切ないな…恋って。


俺は完全に告白するタイミングを逃した。

「友達以上恋人未満」ってヤツ?


でもこのままでいいかもな。

今になってこの関係を壊すのは嫌だ。


悠李にはチクチク言われる。

男気がないとか…ラブラブなヤツはいいよな。

悠李は彼女に本気だ。
うらやましい…。


最近、あかねちゃん変わった。

彼氏できた?恋でもした?

髪型かわいい…柔らかそうな髪。


聞けない。聞きたくない。

こういう時、他校って損?

見えないから気になる。
見たくない事は見えないから助かるけど。

あかねちゃんは進路に向けて頑張ってる。

バイト先も変わって前みたいには会えなくなった。

勇気がない俺はあかねちゃんとの距離を縮める事も出来なくて、嫌気がさしてきた。

連絡は取ってるけど、肝心な事は言えずに終わる。

そんな感じで過ぎた時間。



今年のクリスマスは絶対気持ち伝える。

俺のケジメ。


そう決めた。

決めた事は絶対だ。


その決戦の日。

映画見たけど、上の空で内容を全く覚えてない。

気まずそうなあかねちゃん。

よし‼


言えた…好きだと伝えた。

答えがほしい…

「信じていいの?不安で…」

そう言われた時決めたんだ。

あかねちゃんの不安は俺が全部受け止める。

悲しませない。そう決めた。


晴れて彼女ができた俺。

恥ずかしくて手を繋ぐのが精一杯だ。

それ以上はできない。

恥ずかしいから。


ペアリング…眩しい。

俺は今で十分幸せだ。


だけど…俺は不安だった。

「元カレ」の存在。

だけど聞かない。知れば知るほど不安が増える。

だったら知らない方がいい。

軽い男だと思われるのも御免だ。

だけど、さっき俺の部屋で気持ちよさそうに寝てるあの寝顔は反則だ…。

だから外に連れ出した。


俺が冷静になりたいから。


失いたくないから…大切にしたい。

それだけ。


悠李は俺達をバカにする。

ガキかよ…ガキで結構だ。
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