センパイ、私は由宇です…。
Prologue



10月中旬の秋。





放課後、
窓からオレンジ色の夕日が差す廊下で私は思わず立ち止まる。




窓から見える夕日。



きれいだなぁ。




夕方で午前中よりも冷え込んできた空気を、夕日があたたかくしてくれたような気がした。




ずっと夕日に見とれていると、
廊下の窓際で黄昏いる男子生徒の後ろ姿が見えた。






...夕日がきれいだから見とれているのかな。





うちの学校の男子生徒にしては珍しい。






一体誰だろう...。




でも、その寂しげな後ろ姿...
どこかで見た気がする────。




この廊下で、


私が“ アナタ”の存在を知るきっかけになる。






そして
この出逢いはとても切なく苦しいものとなる。



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