俺様がキライな女だっているんです!
まぁ、一理あるわね。

加賀見虹本人がいれば、やつを前にしてケンカ売ってくるようなマネはしないか。

いや、前よりは減る…位かな。

『柚乃って…。優しいんだか、計算高いんだかわかんないわね。』

「加賀見くんは蓮の盾となるのよ!」

「オレ、蓮の盾になる!」

意見が合致したらしい。

そこに私の意見はいらないわけね。

てか、盾って…盾自身が原因作ってんでしょうが。

「オレがいれば充分だと思うけど。まぁ、蓮とオレの邪魔しなきゃ、どっちでもいんだけど。」

桐も納得したらしい。

『友達ならいいよ。』

そうして、彼は盾という名の友達になった。

大学卒業後、彼は皇組に入り、本当の護衛になって私の傍に居続けることになるのは、まだ誰も知らない。

「蓮、ライヴ遅れる。」

桐の言葉に頷くと、手を繋いで歩き出す。

『桐~。』

「ん?」

『桐~。』

「どうした?」

名前呼びたいだけの私のいつもの行動だから、気に留めず笑ってる。

適当に返事してるから、なんか悔しくて。

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