その気にさせないで☆
4 初夏色の風に似ている
次の土曜日――
4時間目のチャイムが鳴った。
号令をすませた後、わたしは、早々としまっていた荷物を抱えて、教室からこっそりと出ようとした。
「あかり、帰るの早いじゃん、どうしたの?」
後ろから、芹香に呼び止められる。
わゎっ!!
「うっ、うん」
卯月さんとデート
だとは言えないから……。
「ちょっと用事があって、芹香は今日も部活?」
「うん、今日他校と練習試合で、今から準備でパタパタなんだ」
へぇ、練習試合かぁ。
「忙しそうだね」
「うん、あかりに手伝ってもらおうと思ってたんだけど、用事あるんだもんね……」