言えなかったありがとうを、今、伝えます。
epilogue✩⋆。˚
epilogue✩⋆。˚

2016年9月18日。
シャーッ。
カーテンの開く音がした。
ここは前来た病院?
目を開けると、母さんがいた。
「...母さん」
「春馬?!あんた馬鹿じゃないのっ!」
「え?なにが?」
「なにが?じゃないわよ!まだ完治してないのに遊びに行ったりして!あんまり心配かけないでよ!」
怒鳴り散らす母さんを、隣にいた看護師がなだめる。
「まあまあ、お母さん落ち着いて。」
そして俺の方に向き直る。
「春馬くんはね、友達によると、海岸で花火をしていたときに、急に倒れたんだって。で、救急車で搬送されたんだけど、何時間も昏睡状態で。」
そうだったのか。それなら、母さんが怒るのも無理はない。
てか、俺が早耶香とあの空間で話している間、現実では俺は昏睡状態だったんだな。
...あれ?俺今早耶香って...!
「憶えてたっ!!」
突然叫んだ俺を、2人が怪訝な顔で見てくる。
「憶えてたって、何を?」
「早耶香を!」
「早耶香...?聞いたことないけど...。」
「一緒に祭りに行ってた早耶香だよ!知ってるだろ?」
俺は母さんに早耶香の話はもちろんしたことがある。
この間の事故もあったし。
「え?祭り一緒に行ってたのは凌平くんと輝晃くんと天馬と莉愛ちゃんと楼莉ちゃんだけだって聞いたけど。それに早耶香なんて子知らないわよ。」
嘘だろ...?
あの時の早耶香の言葉を思い出す。
『みんなの記憶から、私を取り出したの。』
まさか早耶香は、俺だけに記憶を残してくれたのか...?
俺が忘れたくないって言ったから...?
「早耶香ぁ...っ!」
涙が止まらなかった。
早耶香は何も残せないって言ってたけど、最高のプレゼントを俺に残してくれた。
俺、絶対早耶香のこと忘れないから。
早耶香が残してくれたこの記憶、何があっても忘れないから。
ありがとう、早耶香!
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