女の子として見てください!
どうして、冷たいんですか?
今日も市内は平和。

日課のパトロールでも問題ナシ。


でも、普段と違うところがひとつだけ。
それは……。



「ふたりでパトロールなんて初めてですね!」

パトカーの運転席に、翔さんがいること。

普段はほかの署員とのパトロールなのに、人数の兼ね合いで翔さんとのツーショットパトロールをすることになったのだった。


「まあ、異常もなさそうだしもう帰るけどな」

せっかくふたりきりなのに、翔さんは相変わらずクールだ。

でも、いいんだ!ふたりでいられるだけでもうれしいし、それに。
この間の遊園地デートで、翔さんの気持ちを知ることができたから。


翔さんは、出会った時から私のことを『ありのままでいい』と言ってくれていた。
でも、ありのままの私じゃ、いつまで経っても好きになってもらえないと思って不安になった。
だけど、違った。
翔さんは、ずっと私のことを異性として見てくれていた。

まだ、好きになってもらうには遠いかもしれないけど。

でも、いつか必ず。



「あ、翔さん。コンビニ寄っていいですか?」

私は数メートル先にあるコンビニを指差して、翔さんにお願いする。


「勤務中に名前で呼ぶなって言ってるだろ」

翔さんはそう言いながらも、ハンドルを切ってコンビニの駐車場へ入ってくれる。


「翔さんも降りるんですか?」

私が車を降りると、翔さんもシートベルトを外してパトカーを降りた。
< 50 / 155 >

この作品をシェア

pagetop