独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
「姐さん、ビール頼みますか?」

「ああ、ありがと、あみちゃん」


空のジョッキをあみちゃんに渡す。

父の遺伝なのか、お酒は強い。
私だけではなく金融関係の仕事をしてる人は、わりかしお酒に強い人が多い気がする。


今日のメンバーも全員ビール党だ。


「私、考えたんだけど…」

「さすが姐さん、なんかいい考えあります?」

「うーん。結局このローテーションしか思いつかないんだよね…」


ちょうど店員が生ビールを運んできた。

キンキンに冷えているうちにジョッキに口をつけ、そのまま胃袋へ流す。


軽くげっぷが出そうになるのを喉の奥で飲み込んで、ジョッキをテーブルの上に置いた。


後輩たちはみな食べる手を止めて、私が話し始めるのを待っている。

誰かが息を呑む音も聞こえた。

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