独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
3時のシャッターが降りた。

ここからは窓口と出納が、現金を合わせる作業に入る。

ミューの「ごめいさん」が勘定の一致を知らせる合図だ。


忙しくない日は大体三時半には「ごめいさん」が出るのだが。


私も自分の仕事で時間を気にしていなかったが、気がつけば四時近くになっていた。


「小田原さん、今日ごめいさん出てる?」

「いえ、216円現金が足りないんです」


慣れてくるとこの金額を聞いた時点で、合わない原因が大方わかるようになる。

216円は、各種手数料の金額だ。

きっと振込かなんかを受け付けた時に、手数料をもらい忘れているんだろう。


ミューも見当をつけていたようで、今日一日の振込依頼書を見直しているみたいだ。

< 132 / 250 >

この作品をシェア

pagetop