独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
私の席は目黒次長の隣だった。

「最初、新人が入るとなったときはどうなるかと思ったけどね。

本当にここまでこれたのも、笠原さんのおかげだよな」


次長のグラスにビールを注ぐ。


「私だけではないですよ。

今年は預金課の全員に負担をかけてしまったけど、本当にみんなよくやってくれましたよ」


「俺さぁ、実は最近本部から電話があって、びっくりしたんだけどさ。

…みんなには年末に話そうと思っていたんだけどね」


本部には毎週ごとに、先週分の定期預金をはじめとする、担当ごとの契約件数などの報告をしているらしい。


「先週の定期預金契約件数、全支店の窓口の中で、香坂さんが3位に入ったんだよ」


「…えっ?」

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