独身一般職(37) vs 新人リア充(20)
10時前に戻ってきた香坂さんは、これでもかってくらいに髪を真っ黒に染め、刺激臭を撒き散らしながら席についた。


「ありがとう、香坂さん。
きついこと言ってごめんね」

「いえ、私が悪いので遠慮なくどんどん言ってください」


安心して小さくため息をついた。


言えばわかる子なんだな。
今どきは後輩の指導も慎重にならないと、すぐにパワハラなんて言われてしまう。


そこら辺も彼女なら心配しないで良さそうだ。


「さっそく仕事に入るんだけど、まずこの書類…あれ?」


受付印が一か所漏れている。


「香坂さん、あそこの席にいるグレーのスーツ、下風代理って言うんだけど、ここの場所シャチハタもらってきてくれる?」


「わかりました」


噂の下風代理は渉外課に配属になった。

改めて近くで彼の顔を見たら、やっぱり可愛い顔をしている。


ミューの言う通りで、プレイボーイな雰囲気はないように見えた。

そして受付印を漏らすところも、ミューの言う通りだ。
あまりぱっとしない感じの人かもしれない。

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