再会


今まで、おまじないなんて信じる性質ではなかったのに……

なんだか、真剣にコインを投げてる自分が可笑しかった。

でも、もう一度トレヴィの泉と向き合うと、優しく微笑む女神が私を見下ろしていた。

その微笑は、何故だか私の願いも叶えてくれそうな、そんな気がしたんだ。



いつの間にか後ろにいたアキの声で振り返った。


「そろそろ行こうか」


アキの優しい眼差しに素直に頷く。

もう一度だけ、泉を覗き込み、二つ目の願いを胸の中で繰り返した。





アキといつまでも一緒にいられますように……





そんな願い叶わないとわかっていても、この時の私はそう願わずにはいられなかったんだ。





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