再会


久しぶりに、あの夢を見た。

10歳の時、母が出て行ってから、毎日繰り返し見た夢―――





真っ白い部屋の中で、私はベッドの上で、金縛りのように動けずにいる

すると、お母さんは、泣きながら私を見下ろして「ごめんね」と言って、部屋を出て行く

私がいくら「お母さん」と叫んでも、振り返ることもなく

そして泣き疲れた頃、お父さんもやってきて、やっぱり「ごめんな」と言って、私を置いて、どこかへ行ってしまうんだ

私の前で涙など見せたことのない父も、夢の中では泣いている

一人取り残された私は、ようやく動けるようになり扉を開けるんだけど、そこはどこまでも真っ暗で、誰もいなくて寒い

私は、その暗闇をただ彷徨い、苦しくなって目が覚める……





だけどね、今日は違う。

暗闇の向こうに、私は光を見つけたんだ。

誰かが、私を呼んでる。



『レイ、レイ……』



誰?

お父さん?

お母さん?



私は、その光が導くままに、暗闇の出口へと突き進むと―――



ここは……?




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