再会


あんなに怒られた上に、迷惑までかけてしまって、さぞ怒ってることだろうと思ったのに……

さっき見た彼の目が、とても優しくて、出会った時とは別人かと見紛うほどだった。



そして、わずかに残る左手の温もり―――

もしかしたら、ずっと手を握ってくれていたのかもしれない。

なんとなく、そんな気がしたんだ。

そうでなければ、あの夢の後に、こんなに穏やかに目覚めることなんて、できないから。



ほどなく彼は、ミネラルウォーターのペットボトルを持って、部屋に戻ってきた。


「大丈夫か?」

「二度も助けてもらって……ありがとう」


なんだか照れ臭くて、小声でそう言うと、「ほら」と言って、彼はミネラルのボトルを差し出してきた。

まだ、頭が少し重たい気がしたけど、私はゆっくりと上半身を起こした。

すると、彼はさっと背中を支えてくれて……

腕はやっぱり細いんだけど、その力強さに、私は少し戸惑ってしまった。

ミネラルのキャップを開け、一口含むと、少し気分がスーッとする。

同時に彼が開けてくれた窓から、ひんやりした空気が入って来て、気だるかった体に、少し生気が戻ってくるような気がした。








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