3年前の君へ 〜下駄箱536の1つ下の秘密〜





・・・え?

「お前、知ってたのか?」

「いや、お前の行動見てたら誰だってわかるだろ。
 気づいてないとか、どんだけ馬鹿だよ。馬鹿か。涼。馬鹿なんだな。」

バカバカ言いながら俺の頭をこぶしでぐりぐりしてきた。

「いてーよ!
 バカバカ言いすぎだ!」

頭から透馬のこぶしを取り、透馬を見た。

あははと笑い合った俺は、心が温かくなった。



・・・そっか、透馬知ってたんだ。


そっか。




・・・そっか、俺、奏音ちゃんに、恋、してるんだ。





そう認めただけで、俺の心はふっと落ち着いて、暖かくなった。





俺が、未来の彼女に、今、現実で恋していると気づいた瞬間だった。





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