人事部の女神さまの憂いは続く

ふじっきーがユリのこと大事に思ってるだろうことはだいぶ前から気づいていたけど、まさかこんなトントン拍子にくっついて上手くいくなんて想像してなかった。
そもそもユリの今までのタイプの男はふじっきーとは真逆で、テニス部とかにいそうな爽やか風イケメンの優男だったし、どちらかというと女遊びの激しいふじっきーにドン引きしてたくらいだったし。

ストーカー騒動くらいから2人の空気感が変わってきてたけど、吊り橋効果的なやつで、ユリの目が直ぐに覚めちゃうかもなんて思ってたし、この前の家出騒動もそうだけど、あの女タラシがちゃんと1人を大事にできるのかは甚だ疑問だったから。

今でも、その不安はあるけど、こうやって侑里が幸せそうにしてるなら、まぁいいかって。


「で、今日ふじっきーは?」

「あとから来るらしいです。なんか接待らしく。あ!ハム残しとけって言ってました」

そんなこと言い始める侑里に

「土産のくせに図々しいな」

いつものように悪態をついている大輔。
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