人事部の女神さまの憂いは続く

藤木家、仁志家、それに侑里たちの会社の社長さんとその奥さん、総勢13名というちょっとした団体がホノルル空港についたのが今朝のこと。


両家の両親は空港で初対面だったはずなのに、買い物に行くという母親たちの妙なテンションに引きずられて、おやじたちも一緒に出かけていった。

お喋りな母親と、寡黙な父親っていうのが、うちも崇兄さんのところも一緒なのが面白いな、なんて思いながら母親たちのあのテンションに付き合わされるのは勘弁だから、一緒に行くか?というおやじの言葉は聞こえなかったふりをした。

崇兄さんの弟さん家族は、ちびっこたちが海行きたいっていうことでビーチでのんびり過ごすらしい。

侑里と香織さんは明日の式に備えて1日エステだって言ってるし、俺はビーチで目の保養でもしようかなとか考えてたら、つかまってしまったのだ。


「巧って運転できる?」

「一応は」

そう答えてしまったのが、運の尽き。
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