範囲指定ゲーム
☆☆☆

食事が終わると、全員が体育館へと向かっていた。


もう3チームしか残っていないのに、パソコンは相変わらず11台並んでいて、それは異様な光景に見えた。


体育館の時計の針が、1時に迫る。


「お前ら、おはよぉ」


間の抜けた男の声が聞こえてきて、全員がステージへと視線を向けた。


「あれ? 結構少なくなったなぁ」


頭をポリポリとかきながらクラスメートたちを見回してそう言う男。


その顔はなにも考えていないように見える。


こんな男に支配されているなんて、今でも信じられなかった。


「今日あたりで決着がつくんじゃねぇのぉ?」


そう言いながらステージ上に胡坐をかいてすわった。


その言葉に返事をする者は、もちろん誰もいない。


それでも男は気にしていない様子で、時計に視線を向けた。


「はい、じゃぁゲーム開始!」


男の声を合図にして、最後のゲームが幕をあげたのだった。
< 198 / 249 >

この作品をシェア

pagetop