先輩!小説の主人公になってください!
「伊織。」
すると今までの笑顔が嘘だったように、咲和先輩の表情が真顔になった。
「は‥はい!!」
私は思わず背筋を伸ばしてしまう。
「特に意味はないかな。」
真顔とは関係ないほどあっさりと言われ私は体から力が抜けていくのを感じた。
「何ー?もっと深刻な理由で入ったとか思った?」
「普通、真顔でしゃべられたら誰だってそう思いますよ!」
私はついつい言ってしまう。
「ごめんごめん。伊織をからかうの面白くてさ。」
「もう!咲和先輩!!」
「でもさ‥私が文芸部、入ったのは本当にたまたまだった。」
「えっ!?」
急に咲和先輩が真面目な顔をして話始めた。
「私がたまたま、大和くんと出会って、その勢いで入って‥。‥ていう感じかな。私さ大和くんにひどいこといっぱいしたんだよね。入部しろ!てうるさいから、大和くんが大事にしてる本を投げ捨てたりとか。あと‥大和くんにひどいことも言った。それでも‥諦めずに私を誘ってくれたんだ。だから、私が根負けして入ったてわけ。」
「さ‥咲和先輩にそんなことが‥。なんか、涙が出ます。えーん!」
彩月が泣くまねをした。
「こらっ!嘘泣きしてるんじゃない!!でも、まぁ本当にたまたまだったて話だから。気にしないで。以上!これにて解散!!」
咲和先輩はこれ以上の追撃は許さないよ☆と言った感じに切り上げた。
でも、私は咲和先輩から話が聞けてよかったと思う。
その後、私と彩月はそれぞれの部屋へと戻っていった。
私も部屋に戻って眠ったのであった。
‥がふと、私は夜中に目が覚めた。
時間を見ると‥夜中の3時だった。
「‥トイレ‥。あれ‥?どこだっけ?」
寝ぼけている私はとにかく使い物にはならない。