先輩!小説の主人公になってください!
「ねぇ、さっきいなかった買い物組はこの話どう思う?じゃあ、柊人から。」
咲和先輩が柊人先輩に話をふる。
「‥俺は‥どっちでもいいかなて思う。部誌を発行するにしてもリレー小説をするにしても、文芸部のよさは出してるからな。」
「じゃあ、伊織は?」
「私は‥リレー小説を文化祭でやるのは悪くないと思います。だけど‥その‥このメンバーでやると‥このメンバーが悪いじゃないですけど、ストーリーがめちゃくちゃになるというか‥その‥。」
言葉が続かない。
その様子を見て大和先輩が続ける。
「伊織が言おうとしていることはなんとなく分かるよ。このメンバーでやると楽しいけど、めちゃくちゃになる。そのめちゃくちゃになったものはとてもじゃないけど発表出来たものじゃない。それは俺も危惧してる。」
「じゃあどうするの?このままじゃ話進まないよ?‥文芸部てさ小説や詩を読んだりする他に何かあるの?」
咲和先輩がイライラしたように大和先輩に言う。
「それをみんなで考えているんですよ。‥このまま話が進まないようだったらまた、部誌を発行しますか?その手もありますよ。」
「あれは見た目も地味だし、作業も地味だから嫌。」
「‥文芸部とはそういうものです。」
このままだったら、大和先輩と咲和先輩がいつ喧嘩を始めてもおかしくはなかった。
私もリレー小説は悪くはないと思うんだよね‥。でもみんなとやるとめちゃくちゃになるし‥‥あっ‥そうだ!!
「あ‥あの!!提案があるんですけど!」
みんなが私の方を見る。
「私の提案、悪ければ却下してください。でも言わせてください。リレー小説、私達だけじゃなくてみんな参加型にするのはどうでしょうか?」
「えっ!!?どういうこと?」
大和先輩が驚いたように聞き返す。
「私なりの考えなんですけど、どこかの教室を借りてスクリーンに写しながらみんなでリレー小説するんです。自分が打ち込むとLINEみたいにリアルタイムに投稿されるようになっててリレー小説ができると思うんです。」
「‥‥‥‥‥。」
全員が黙り込み、周りが静寂に包まれる。
「あ‥あのこの案、どうでしょうか?やっぱり却下ですか?」
すると‥
「全員、参加型のリレー小説か‥。面白そうだね!俺は賛成!みんなはどう思いますか?」
「私は賛成です!」
「私も。」
「俺も。」
みんなが賛成し、私の案は採用されることとなった。
「伊織。それもう少し、詳しく説明してくれないかな?」
「はい!分かりました!えーっとですね‥まず‥リレー小説専用のホームページを自分達で作って、当日にそのページに行ってもらいましょう。」
「ちょっと待った伊織。」
咲和先輩が待った!をかけた。
「そのホームページ‥誰が作るの?」
「‥‥‥‥‥。」
思いついたことをそのまま口にしていたから、できるかできないかなんて全く考えてなかった。
「じゃあ、俺そのホームページ作るよ。」
困ってると柊人先輩が助け船を出してくれた。