宮野さんはいつも困ってる
知らない方が
「ただいまー」

「お兄ちゃん!」

帰ってきたお兄ちゃんに詰め寄ると、まるで相手にしてないみたいにあたまをぽんぽんされた。

「ん?萌花、ただいまー」

「ただいまじゃなくてね!」

「とりあえず荷物、部屋に置かせてくれないか?
それから話、聞いてやるから」

「……うん」

私の髪をくしゃくしゃにかき回して自分の部屋に行くお兄ちゃんを見送り、リビングのソファーに座る。
今日はちゃんと話をしよう、そう思ってたはずなのに心臓はバクバクいってる。

「で?なんの話?」

お兄ちゃんは冷蔵庫から麦茶を二杯注ぐと、それを持ってソファーの私の隣に座った。

ごくごくと音を立てて飲むお兄ちゃん。
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