宮野さんはいつも困ってる
顔をうずめた先生の胸。
先生の香り。
ゆっくりと私の背中を撫でる手。

「守るよ、宮野を。
ずっと」

わずかに震えてる先生の、手。
先生のシャツを掴む私の手も震えてる。

そのままじっと、やまない雨音をふたりで聞いていた。
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