宮野さんはいつも困ってる
……ごめん。
先生に抱き抱えられて、学校内を移動する。

みんな見てたってかまわない。
先生だけがいればいい。

「ここでいい子にしてろ。
昼休みになったら、連れて帰ってやるから」

「うん」

連れてこられた数学準備室。

「誰も来ないから安心していい」

「うん」

ちゅっとキスすると、ゆっくりと先生の手が私の髪を撫でる。
さっきの騒ぎなんて忘れて、穏やかな微睡みに落ちていく。

「ここから一歩も出るなよ。
いい子だから」

「……うん」

おでこにふれた唇に安心して、意識を失うように眠りに落ちた。
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