宮野さんはいつも困ってる
印刷室でふたりっきり
放課後。
私は印刷室で資料の準備をしていた。

……ク、クラス委員の仕事をしているわけで。
べ、別に明石くんを避けているわけではなくて。

 ガラッ。

「宮野、いる?」

「はいっ!?」

背後からかけられた声に、背中がぎくりと大きく震えた。
おそるおそる振り返ると……明石くん。

「教室行ったらいなかったから。
聞いたら、ここだって」

「い、委員の仕事、してた……んだ、ヨ」

にっこり笑う明石くんに動揺し、ぎくしゃくと視線をコピー機に戻す。

ピーガー、ピーガー、コピー機がプリントを吐き出す音だけが部屋の中に響いてる。

……ううん。
自分の心臓の音が聞こえてた。
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